インセプション Inception

本音を云えば、ケン・ワタナベを観に行ったと云うほうが正しいが、冒頭から投げ込まれる現実改変設定向けにコンマ数秒で脳を調整できるSF育ちでよかった。想像の彼方にいきなり連れていかれるので混乱するひとは多そうだ。『メメント』のときは意識の芝生を無理矢理めくりかえされたような後遺症が数日残ったが、今回は普通に戦えた(戦わなくていいです

ディカプリオ君主演だから宣伝も派手だったが、大スター出てなくても設定だけでご飯三杯イケたと思う。チームの紅一点の名前からして、はなから(ネタバレ削除)のような気もするがまあそこはそれ。*1

ここに書くことではないが、放置プレイの長編二次とネタがかなりかぶったのはへこんだ。アイデアやネタは胚胎したらすぐに育ててやらなければ萎れて死んでしまうのだ。とはいえ既に200枚書いて、あと最低200枚書かないと終わらない。そんな時間がどこにあるんですかね>自分

*1:以下ネタバレ含み。主役の妻の名は夢の神モルフェウスを連想させる。怪物ミノタウロスと共に自作の迷宮に閉じ込められた天才工匠ダイダロスである主役が、自らが犯した罪を再演することで救済を求めるよりどころとしては、英雄を迷宮から導き出したアリアドネはぴったりすぎる象徴だろう。インセプションをそそのかしたサイトーと対象となったロバートを、おのおの主役とその妻に置き換えれば、彼等をともに救うことで主役が常に抱えている罪悪感はすすがれるはずだ。かくして自らの良心から赦され、永遠の逃亡という形のない牢獄から脱け出した主役は子供たちが待つ聖域に帰還する。最初から最後まで、すべてが主役の頭の中で起きた話、だとしたら?w