言葉

英知尽くし言葉の越境

■読売新聞2008年11月11日朝刊 緩話急題 文化部・尾崎真理子 翻訳者の戦い <父は50歳になろうとしており、英語は道具というよりは敵だった> 旧ソ連ラトビア出身の新鋭D・ベズモーズギスの短編「マッサージ療法士ロマン・バーマン」は、自伝的な作…

日本語の機能・陰影 どう護る―――水村氏の危機意識。

■読売新聞2008年11月7日朝刊文化面 作家の水村美苗氏が評論『日本語が亡びるとき――英語の世紀の中で』(筑摩書房)を上梓した。バイリンガルの作家として、英語の公用語化を推進する意図はない。インターネットを追い風に、強まる英語の覇権から「日…

社会科学的に見た「初音ミク」

■読売新聞2007年10月17日朝刊より ウィークリー時評 「電脳歌手」登場 職失う「並」の才能 鈴木謙介 (国際大学グローバルコミュニケーションセンター研究員・理論社会学) ネット上の流行はめまぐるしく移り変わるものだが、この数ヶ月、一部のユー…

わたしを束ねないで

あだ名とそれが喚起するイメージ、その意図せぬ怠惰と暴力についてのエントリを目にして、しばらく考えていた。自分はなんと呼ばれようとあまり気にならないので、その鈍感さが予期せぬ災いを招きそうで、すこし怖くもなったのだ。 今朝の新聞広告*1で目にし…

詩人の言葉を味わう。

気になる文を見つけたのでここに引用する。言葉使いとして生きるひとの言葉を味わうためでもあった。句読点の使い方や文章の繋げかたが自分とあまりに違っていて、写している間ずっと波に揺られているような心もちがした。 追悼・島尾ミホさん 吉増剛造 島尾…