2010-01-01から1年間の記事一覧

自覚もなく。

友人から最近更新ないですねというツッコミが来たので、ひさしぶりに開けてみたら十日も放置していた。ぜんぜん気づいていなかった。 以下、備忘。 遠方住まいの身内から聞いた話。身内のひとりAが経営している小さな職場で、ひとりの従業員がうつ病をわず…

蝶コレクターの黒い欲望

蝶コレクターの黒い欲望---乱獲と密売はいかに自然を破壊したか? 作者: ピーター・ラウファー,寺西のぶ子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2010/08/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 6回 この商品を含むブログ (7件) を見る 近所の本屋で、…

黒蜥蜴

明智と女賊の戦いを描いた乱歩の原作を三島由紀夫が戯曲化し、丸山明宏の主演で映画化した、四十年前の作品。 観る前と観たあとで世界の色が違って見えるほどの、明宏氏の黒蜥蜴っぷりにめためためにやられた。なんなんだ、あの美しさ。ため息しか出ない。大…

マダムGの館 月光浴編

マダムGの館 月光浴篇 (フラワーコミックススペシャル) 作者: グレゴリ青山 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/07/09 メディア: コミック 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (6件) を見る 映画、文学、美術に描かれた高尚な「御耽美」世界…

調香師の手帖

調香師の手帖 香りの世界をさぐる (朝日文庫) 作者: 中村祥二 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2008/12/05 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 28回 この商品を含むブログ (14件) を見る

SHUTTERS

柔らかいスペアリブとアップルパイが有名なお店だと、友人から教えてもらった。白を基調にした清潔な店内で、話し込みながら肉をつつき、香りが良くて上品に甘いデザートで締めくくり。ふりつもった疲れがするりとほどけて消える瞬間だ。 ここのお店で出すよ…

有頂天家族

有頂天家族 (幻冬舎文庫) 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2010/08/05 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 516回 この商品を含むブログ (138件) を見る 愉快な「毛深い子」をやっとゲット。来年には続きも出る(と同じはてな内にある著…

ソルト SALT

一緒に行った同僚とカクテル飲料を飲みながら鑑賞。ジョンジョリーナさん(息子による仮名)が大活躍。以下単なる感想だか少々ネタ割りそうなので隠す。 最初になにやらをもって逃げたところで「ああ、その気はないんだな」と思ったけれど、そんなconvinientな…

バーテンダー17

バーテンダー 17 (ジャンプコミックス デラックス) 作者: 長友健篩,城アラキ 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2010/08/04 メディア: コミック 購入: 1人 クリック: 16回 この商品を含むブログ (14件) を見る うちでは中学生から年寄りまで皆が大好きな漫画。…

パラノーマル・アクティビティ

息子が観たいというので借りてきた。彼はこちら方面に興味があるくせに怖がりだ。案の定、ひとりでは観られなかったらしく、一緒に観ようといいだした。連休明けのわりとヘビイな残業後にこういうのはいかがなものかと思いながらおつきあいで鑑賞(笑) 結論か…

魔法使いの弟子 Sorcerer’s Apprentice

あなや、ニコラス・ケイジに髪がある! 魔法か! 魔法なんだな! …という映画ではない(酷 古き良きディズニーアニメ『ファンタジア』中で、同名のデュカスの曲に基づいてミッキーマウスが演じた短編、『魔法使いの弟子』をベースにした実写映画である。未熟…

伴天連XX

伴天連XX(1) (ファミ通クリアコミックス) 作者: 横島一,猪原賽(原作) 出版社/メーカー: エンターブレイン 発売日: 2010/07/15 メディア: コミック 購入: 3人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (17件) を見る クトゥルー×時代劇。いろいろな料理の仕…

猫本尽くし。

相方から届いた暑気払い、三連発。 猫絵十兵衛御伽草紙 1巻 (1) (ねこぱんちコミックス) 作者: 永尾まる 出版社/メーカー: 少年画報社 発売日: 2008/12/15 メディア: コミック 購入: 4人 クリック: 40回 この商品を含むブログ (16件) を見る 江戸の頃は、猫…

釣れた。

珈琲泡盛。

請福という酒造の名が気に入って小さな泡盛三本セットを買ってきた。珈琲琉球溜とあるので、ミルクに足してみた。カルーアなどと違って酒精分12%なので強くはない。しかしまぎれもない泡盛の香りがした。

シュレーディンガーの老人。

部屋の扉を開けて観測するまで生きているか死んでいるかわからない長寿のひとびとを、有名な量子論のたとえ話にあてはめてそんなふうに呼ぶらしい。誰がうまいこと(略)と思いながらも、あまりにぴったり過ぎてはじめて見たときは吹いた。 年金詐偽云々はと…

そんな天からの救いはないと知っていても。

弁当を詰めて家を飛び出した。あわただしく丘を降りていく途中で、足元で動くものを見つけた。おいおい、こんなところにいたら通行人に踏みつぶされちゃうよ、と腰をかがめてみると、枯れた竹の葉まみれのカブトムシの雌がひっくりかえってもがいていた。軽…

南行の残滓。

疲れが出たらしく、仕事をしたり海外ドラマを観たりして無為の一日をすごした。八重山画像のつづきはPC画面をのぞきこんで画像処理するのがどうしても億劫で、作業が遅れている。 あちらで買ってきたものを開けた。 じっとりした夏にはこれくらいの軽さがい…

ル・ベスベ 花物語

お店のそばを通ることがあって、都会の真ん中とも思えない濃淡の緑に包まれた外観はよく見知っていたのだが、完全にフレンチレストランだと思っていた。いつか食べに行きたいなと思っていて同僚に話したら「や、あれは有名な花屋さんですよ」と、もの知らず…

インセプション Inception

本音を云えば、ケン・ワタナベを観に行ったと云うほうが正しいが、冒頭から投げ込まれる現実改変設定向けにコンマ数秒で脳を調整できるSF育ちでよかった。想像の彼方にいきなり連れていかれるので混乱するひとは多そうだ。『メメント』のときは意識の芝生を…

まだ明るい。

ゆえあって会社早退。 帰宅混雑前の電車は拍子抜けするほど空いていて、巨大ベビーカーもちらほら。すぐ近くでベビーカー上の二歳くらいの坊やとやりとりしながら振り返ったお母さんがどう見ても自分以上で、失礼ながら若々しいファッションの後ろ姿とのギャ…

戦う日常。

昨夜遅くに帰って納品を済ませてから寝たので眠い。こんな状態で仕事になるんだろうかと思ったが、不在にした数日間の情報(業務以外もろもろ含む)をアップデートするのに忙しくて、眠くなっているひまがなかった。やることはてんこもりだし。 念願かなって…

八重山の旅(2)

平坦な珊瑚で出来た島と、山がある島では、見られるものが違う。 沖縄県ではいちばん大きな河を遡上する。周囲はマングローブ林。東南アジアを旅するとよく見かける風景だが、本邦ではなかなかお目にかかれない。 森にはシダが生い茂っている。ヘゴの仲間も…

八重山めぐり(1)

那覇から石垣島に飛んだらそこから先は船に乗る。 このあたりのイメージとして、友人が制作に参加していたNHK朝の連続ドラマの存在がいまだに強いようで驚いた。自分は連ドラと縁の薄い生活を送っているので、あのドラマについても友人が語ってくれた話を…

バケもの退治とあとのまつり。

飛び込んできた仕事はひとまず終了。不馴れな化学系案件なので訳語をひとわたり再確認してから納品する予定。昔いた事務所では化学ネタ=バケと呼んでいたが、まさに真夏のおバケ並みに遭遇したくないネタだった。ふだんやっている軟弱医薬系でも生化学が絡む…

ひとやすみ。

命はつづく、かもしれない。

仕事中にtwitterタブを開けるとはてしなくdistractedしてぜんぜん進まなくなるので、思ったことは速やかにここに投下して頭の中を鎮火。 連日の雨と暑さに勢いを得た雑草で大変なことになっている庭を見回って、睡蓮鉢を覗いたら、小さなものがつっと動いた…

神と脱獄。

ストロスの『The Fuller Memorandum』は、50ページまで読んだところで自宅仕事の依頼が来て、泣く泣く中断。 女王陛下の対オカルト秘密組織<ランドリー>のIT担当兼諜報部員ボブ・ハワードは、のっけからヤバい仕事で愛用の携帯端末を壊してしまった。い…

迷路。

コンクリの鯨の腹に飲み込まれたような気分で、面談の順番を待っている。年に数回訪れる機会はあっても、全体をじっくり回ったことがないからか、いつまでたっても内部の構造が把握できない。ここまで歩く間に吹き出した汗が、長い長い廊下を渡る風に気化し…

猫の首に鈴をつける。

となりの席でぐっすり寝ているサラリーマンの青光りする坊主頭をそっと撫でてみたくなる帰り道。 意識が空の状態で作業をこなしつづけて夕方が過ぎ、窓外が暗くなりだしたあたりからはずっと、美しい合成人間並みに共感能力を欠いているリーダー(フォークト…